2019年5月3日金曜日

香りのこと


「花は黙っています。それだのに花はなぜあんなに綺麗なのでしょう?

なぜあんなに快く匂っているのでしょう?

思い疲れた夕など、窓辺にかおる一輪の百合の花を、

じっと抱きしめてやりたいような思いにかられても、百合の花は黙っています。

そしてちっとも変わらぬ清楚な姿でただじっと匂っているのです。」

牧野富太郎 なぜ花は匂うか


この文章を読んで、たまらなくせつない気持ちになりました。
皆さんはいかがでしょうか?

植物は話すことはできませんので、
その代わりその色や形、香りでコミュニケーションをしています。
香りは植物のことばです。

植物は昆虫や動物と、また、植物同士で話すために香りを放ちます。


人間も、その言葉である「香り」にひきよせられてうっとりしたり、

すがすがしい気分になったり

なぐさめられるような気持になったり

たしかにその言葉の意味を理解しています。


香りをたのしむことは、植物との会話を楽しむことなのかもしれないと思います。


人間は香りをとるために たくさんの植物を使っています。

香りを楽しむときに、たくさんの植物の命をいただいていることを

忘れずに、大事に香りを使いたいと思っています。

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